新配列の使用感[新下駄配列]

新下駄配列の制作者であるkouy様のブログ

新下駄配列を作りました : ローマ字入力でもなく、かな入力でもなく (exblog.jp)

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タイプウェルなどの成績

※3月1日から使用

 

長所

まずは良かった点から

 

  1. チャンクが適当でも基本的に打ちやすい
  2. [:]BackSpaceが強い
  3. 翌日に疲れを残しにくい
  4. 使用できるキーが多い
  5. 外内のアルペジオなのでリズムが取りやすい
  6. 文字と打鍵音が一致する
  7. 長文が得意
  8. 同梱されているエミュレーターが多い
  9. 清濁別置のため配列を変更しやすい
  10. 「、(読点)」が打ちやすい
  11. (右肩が楽)
  12. (両手同時アルペジオが楽しい)
  13. (この配列用に作られたワードがある)

細かい説明

1.配列制作者様が日本語2-gramをベースにしているので、文をワードごとに分解しても打ちやすいことが多いです。

 

2.右手小指の使用率が低いおかげで、タイプミスするときは確率的に他の指のことが多く、それをBackSpaceで修正した際に小指の同指連続が起こりにくくなっていて、また、ホームポジション横にあるので文を消した後のためうちが活かしやすかったです。

とりあえず文章を打ってみてから考えるといったことができるのは、このキーのおかげ*1

 

3.同時打鍵の性質上、使用するエネルギーに対して文章がスムーズに進むから、とても疲れにくいとは思うが、疲れるまでタイピングするので、疲れにくさに対しての効果は分からない……ひとつ言えることは、あまり翌日に疲れを持ち越していないように感じる。

 

4.使用していない同時打鍵も多く、そこに記号キーなどを好きなだけ割り当てられ、自分で設定したキーは憶えやすく、適当に配置できるため、使いやすい。

 

5.外側に向かってのアルペジオだと潰すように打鍵するのでリズムが取りにくい

また、「あい」と打とうとしたが「うれ」になってしまうなど、内外だと巻き込みやすく感じるので個人的には外内が好み

 

6.親指を使用せず、2キーの同時打鍵で拗音も含むほぼ全ての文字を入力できるので、文字と打鍵音がほぼ一致します。ここまで文字と音と一致率が高い配列は他にはないと思います。キーボードだけどタイピングじゃないみたいな感じになっていて面白いです。

 

7.長文でよく出現する文字がほぼ単打鍵なので、長文を書きやすい。

 

8.同時打鍵時の判定が変わるなど、エミュレーターごとに少し仕様が異なり、試したいときに同梱されていないと設定を書き直す必要があるので

 

9.これは作者が記事で書かれていたのですが、好きな位置に文字を配置しやすくなっているので、特にルールに縛られることがなく自由に配列変更できます。*2

 

10.「は、(er)」のアルペジオが使いやすく、文章が下段で終わることが多いので、対象的な位置で押しやすい位置にあるのが良い。

 

11.私だけしか効果がないのかも知れないし、効果を感じたのが使用して半年後なので期待はできないが、右肩がとても軽い。

 

12.これは主観100%でただの好みの問題だけど、Qwertyの片手酷使しているときにもう一方の手がサボってる感じ(「私」、「思う」、「だった」など)があまり気に入らなかったので、両手同時にアルペジオするのは心地よい。精度が高いわけではないが気持ちよく打鍵できる。

 

13.ブラインドタッチを習得するためのワードなどがあり、練習しやすいです。

 

ワード

お泊まり恋愛詩様作成

13日間新下駄配列マスターコース 第1日(スロースタート) | お泊まり恋愛詩

cami様作成

よく使われる文字列ばかりで文章を作ってみた

 

myTyping

テオフィルス様作成

13日間新下駄配列マスターコース 第1日 | タイピング練習の「マイタイピング」

※長時間のタイピングになるため、ブラウザをダークモードにしてのプレイを推奨します。

 

 

kouy様・bubunpa様作成

新下駄練習テキスト | タイピング練習の「マイタイピング」*3

 

他にも新下駄配列用に作られたタイピングゲームなどは多いですが、あくまで一例として

 

短所

使用した配列の悪かった点はあまり挙げたくないのですが、使用者にとってデメリットが大きかった場合、あまり好ましくないので(._.)

 

  1. ロールオーバーできない
  2. 最上段の同時打鍵が安定しない
  3. 順次打鍵の比べる出力が遅い
  4. 薬指を鍛えないと使いにくい
  5. 運指の拡張が難しい
  6. カタカナ語が苦手
  7. 歌詞と少し相性が悪い
  8. 強い言葉が苦手

細かい説明

1.同時打鍵がロールオーバーできないのはよく議論されていますが、新下駄配列の場合は「シフトが絡む交互」と「単打鍵から同時押し」この2つです。シフトが絡む交互打鍵の場合、この配列ではかな2文字であり、Qwertyで3~4キーロールオーバー(かな2文字分)できるほどの技術を持っていないので、あまり気にならないことが多いですが、単打鍵からの同時押しが速く打てなく、よく分からないところで巻き込むため、苦手です。同手を先に入力すればロールオーバーでも入力できるといった方法がありますが、動作数が増え、とても打ちにくくあまり好みではないです。

 

2.他配列を試す前までは安定していましたが、「びょう」が「こう4」になるなど追い越してしまったり、同時で入力したつもりが同時になっていなかったりします(ゆっくり打てば精度が良いので、普通に打つ分には問題ないです)。

 

3.同時打鍵のキーが出力されるタイミングは基本的にキーを離した時になり*4、順次打鍵と比べると3~5フレーム(1秒間を60フレームとする)の遅延が生じます。そのため、打ち切り回数が多い寿司打3000円コースや、文字を出力するタイミングが重要なUTypingなどのタイピングゲームはかなり厳しくなります(実用的なところだと、予測変換あたりと相性が悪いと思う)。

 

4.Qwertyローマと比べると薬指の使用頻度が高く、配列を変更して短い期間で多く使用すると薬指に大きな負荷がかかります。指は音ゲーや楽器などで鍛えられると思うので、この配列を始めると同時にこれらも始めることを推奨します*5。(指を鍛えた方がいいのはどの配列でも同じです)

 

5.ロールオーバーできなかったり(「いつも」の「いつ」を右手で取れない)、拡張した運指での同時打鍵が困難であるため、運指の拡張はやりにくい。

 

6.カタカナ語に対して非常に強力なWQのアルペジオ(「めー」「にー」「ごー」)がありますが、全体的に打鍵数が多くなるためか、常用語が打ちやすいため相対的にそう感じるのか、打ちにくく感じます。

 

7.「きみ」「とびら」「しあわせ」といったワードがつらく(「きみ」がずば抜けてつらい)、音との一致率は高いが歌詞タイピングとは少し噛み合いが悪い感じがします。

 

8.個人差がある部分だと思うが、打鍵が強くなってしまい、打ちにくく感じる。

 

きっかけや感想

新下駄配列を試してみたきっかけは、長時間タイピングするためにもう1個くらい使用できる配列が欲しいなと思っていたときに、e-typingのショートカットキーを調べて目に止まり興味を持ったので、JISかな配列と比較しながら使用してみたのがきっかけです。

 

JISかな配列もこれから長い期間使用するにあたって、悪くない配列だとは感じたのですが、最上段を使用するときある程度集中力が必要で、指が短い私には向いていないかなと感じ、新下駄配列を使い続けることに決めました。*6

 

最初のうちは、2刀流を想定していてタイピングゲームなどでもQwertyに飽きたら使用するといった形でしたが、1ヶ月くらい経ってQwertyと同じくらいの打鍵速度になったときに、高速で打鍵すると配列が混ざるといった現象が発生してしまいましたが、

すでに新下駄配列の[:]BackSpaceの虜になってしまっていて、高速打鍵したい配列は新下駄配列であったため、タイピングゲームでは新下駄配列だけを使用するようになりました。

 

新下駄配列にハマった理由が長くなってしまいましたが、感想を……

配列の性質上、交互打鍵がロールオーバーできないため、検索語句などの短い文があまり強くなく、その他短所も目立ちますが、楽さにおいてはずば抜けて強く、常に打ちやすいので、楽しく文章を作成できます。

 

また、音との一致率がとても高く、自分のリズムを崩さず入力できるので、とても気に入っています。

 

感想は、メリットの部分で書いたことが殆どを占めているので、あまり書くことがないですね。面白い配列なので、「おもう」「される」といった配列制作者様が打ちやすくなるように設定したワードを打ちやすいと感じたら、使用者の指と相性がいい可能性があるので、ぜひ試してみてください。

 


*1:いろいろな配列を使用した後、この配列に帰ってきた理由の30%くらいはこのBackSpaceにある

*2:元の部分が気に入っているのでそこまで変更していないですが、「じぇ」を”s@”同時に(「ひと」をロールオーバー可能な文字列にするため)、「でゅ」の追加(「ゎ」より使用率が高いため)、記号キーを配置し直すといった形で変更しています。

 

*3:3時間新下駄配列速習教材・改日本語で多く現れる3文字連なりを使ったタイピングをよく使用しています。前者はマイナーかなを忘れにくくなり、後者はトップスピードを鍛えられるのでおすすめです。

 

*4:紅皿やmozcで実装した場合これを回避できるが、シフト前の文字が一瞬表示されるのが私には合わなかったので……

 

*5:音ゲーの場合はOverRapidがおすすめ。ノーツサイズが一定で、標準運指が強め、レーンランダム、一度プレイした曲ならオフラインでもプレイできるなど他音ゲーと比べると良いところが多いです。

 

*6:JISかな配列は「を」に対応するキーがなく、Qwertyと比べると面倒なのはあまり変わらないと感じたのも理由の一つ