※使用期間が1週間くらいとかなり短いです。
使用するまで概要が分かりにくかった配列なので、先に私が感じた特徴を挙げます。
Qwertyローマで打ちにくい文字に対して互換キーを設定したり*1、
日本語で多く出現する「い」「う」「ん」の3かなに対して打鍵数を短縮して、それを含む文字の打鍵数をかな系の配列と同じくらいにするといった拡張や、日本語で多く出現する文字列に対して2打鍵で打てるようにしているのがAZIKの特徴です。*2
それに加えて、同指打鍵を拡張で回避したり、一部AZIKで打ちにくい文字列を削除・変更しているのがtomoemon-AZIK特徴です。
AZIK制作者である木村様の解説
tomoemon-AZIKの制作者である
tomoemon様の解説とブログとおまけ
解説:タイピング/AZIK/tomoemon-AZIK定義 - トモえもんの押し入れ
ブログ:タイピング カテゴリーの記事一覧 - tomoemonの日記
おまけ:tomoemon様がブログでよく話題にしている『魔法少女リリカルなのは』が、ちょうど20周年ということで、全13話が期間限定で無料公開されるそうなので、時間があればそちらも
TVアニメ「魔法少女リリカルなのは」全13話がYouTubeにて期間限定で無料公開決定!|NEWS|「魔法少女リリカルなのは」20周年特設サイト
もし、解説やブログが未読なら、先にお読みくださいませ
タイプウェルの成績とエタイのスコア
長所
- Qwertyからの移行コストがずば抜けて少なく、入力できない期間がほぼない
- 「き」「で」といったかななどを運指の拡張せずに打てる
- Qwertyと混ざることによるタイプミスが少ない
- 使いやすい特殊拡張がある
- 「ん」がとても打ちやすくなる
- 「っ」が別のキーになるため、「だった・だって」が打ちやすくなる
- 「kt」「kr」「ht」の拡張が強力(tomoemon)
- 「せい(ss)」などの弱い拡張は削除している(tomoemon)
※(tomoemon)はtomoemon-AZIKのオリジナル定義
細かい説明
1.これはタイプウェルの成績を見れば明らかだが、移行コストが非常に少ない。
また、少しずつ拡張できるのも大きい。
2.「き」「で」「ゆ」「む」「ぬ」「じゅ」といった同指連続になってしまうかなに対して、母音の代わりに「F」で代用でき、全体的に指のもたつきが無くなるように感じました。
3.どのかな配列でも前の配列で入力してしまい、タイプミスをするといった現象が発生してしまいましたが、AZIKはQwertyでも入力できるため、今のワード省略打鍵できたなぁと、悔しさは残るものの、配列が混ざってしまう煩わしさはなかったです。
4.「わた(wt)」、「から(lr)」、「がら(gr)」、「われ(wr)」、「する(sr)」、「たら(tr)」はもともとが打ちにくく、出現頻度もそこそこ高いため、使いやすい印象でした。
5.「ん」に対する互換キーが多く、「✕ん(✕は母音以外のかな)」の形は省略打鍵で入力でき、また、その省略打鍵のシステムがローマ字と違い前の文字を参照するので、ローマ字より扱いやすくなりました。
6.「っ」が「;」での入力になったおかげで、同手連続が減り、同鍵連打も減るので、「だった・だって」を指がもたつくことなく、踏み込むイメージで打てました。
7.「きた(kfta)」などの拡張で打つと弱くなってしまう文字列を「kta」という形で省略でき、拡張で打ったときに悪運指になるといったことが起こらなく、打鍵数も削減できるのが良いです。
8.拡張で打ててしまうと打鍵に迷いが生じてしまい、あまり良くないので……
短所
- 移行コストが全くないわけではない
- 拡張にも限界がある
- 使いにくい特殊拡張がある
- 指使いが難しい拡張がある
- 少し思考に対して指が遅れる
- 認識と拡張が合わないと使いづらい
- 一部運指の拡張が必要
- 小指の移動量or打鍵数が増える
- プレイするタイピングゲームによって使用する特殊拡張が大きく異なる
- 変更が大変(tomoemon)
- タイピングゲームだとシフト状態が分からない
- 疲れやすい
※(tomoemon)はtomoemon-AZIKのオリジナル定義によるもの
細かい説明
1.「っ」を子音連打で入力できなくなっていたり、ちゃ行をtyで打てなくなっているため、始めにそれらの代替えキーを覚えなければならない。
2.まず、特殊拡張は万能ではなく「まうす」といった文字列に対して、かな系であれば「ます」の間に「う」が入るといったイメージで打てるが、AZIKの場合「ます(ms)」と違い「mausu」としっかり入力しなければならないといったデメリットがあり、また、特殊拡張には母音を省略するだけなどのルールがあるため、「られる(rareru)(日本語でよく出現する文字列)」が「られ(rr)る(ru)」でも打てるようになるといった拡張がありますが、打ちやすくなったとは言いにくいです*3。
同指回避による拡張も「でれでれ(deredere)」に対して、AZIKは「dfredfre」、tomoemon-AZIKは「dredre」とどれを使用しても打ちにくい文字があり、打ちやすくできる限界を感じます。
3.「びと(bt)」、「たび(tb)」どちらも使用率が低く、使用したときのリターンも少ない。
4.「◯onn(◯は子音)」に対して、「◯l」で入力するといった拡張があり、「ぽん」を短縮入力で打とうとすると、「pl」といった難しい指使いが要求される。
5.「◯ou」や「◯ei」などの短縮入力や特殊拡張のせいで、次の文字が分かるまで入力できないので、思考に対して遅れている気がします。
普通に文章を書く場合、特殊拡張などを使いやすいなどのメリットもあるので、打ちやすくなったメリットの方が大きいように感じますが、指がしゃべるというのは起こりにくい配列だと思う。
Qwertyローマでも「ん」に対して、次の文字が分かるまで入力できないので大して変わらないように感じますが、かな系と比べると少し使いにいです。
6.「うすうす」を「う(u)すう(sh)う(u)」や
「せのうえ」を「せ(se)のう(np)え(e)」と初見で入力するのは無理です。
7.「ゆう」はyfuかyhで入力する必要があり、明らかにyhを拡張運指で打鍵した方が打ちやすく、「じゅう」もjfuよりjhの方が優れていて、運指の拡張が必要かなと感じます。
8.「っ」を小指で入力したり、「◯ai」を「◯q」で入力するので、右小指は使用率が増え、左小指は移動量が増えます。
9.「です(ds)」「ます(ms)」などの特殊拡張の使用率がワードによって異なり、タイピングゲームごとに指を慣れをさせる必要がありました。
10.単体での変更であれば、「ctrl+f」で探してちょこっと変えるだけですが、まとめて変更しようと思うと、パターンが多く、苦行です。
タイピングゲーム用とGoogleIMEで、設定の仕方が異なるのもつらい。
11.月配列と違い、母音を入力すればキャンセルされるので被害は少ないですが、シフト状態が分かるタイピングゲーム以外での方が使いやすかったです。
12.タイピングゲームだと特殊拡張が使いにくいためか、他配列と比べると指の移動量が多かったためだと思う。ただ、新下駄配列の使用期間が長く、似ている月配列で疲れにくかっただけかもしれない。
きっかけ、感想など
使用してみたきっかけは、タイパーが手直しした配列で、配列制作者様がかな系からローマ系に行ったという他にない配列であり、新配列をもう一つくらい試してみたいと思っていたので、使用してみました。
タイプウェルSまで行くのに新下駄配列では1ヶ月以上かかっていたので、この配列を使い始めて1週間以内にタイプウェルS到達しているのがこの配列のすごいところですね。移行しやすいのがこの配列の特徴と言われていますが、移行コストがここまで低いのは意外でした。
AZIKからtomoemon-AZIKにすることで定義数が増えますが、AZIKの時点で定義が多く、あまり変わらない印象でした。むしろ、kt・kr系の拡張がずば抜けて強いので、こちらを選んだほうが良いです。
また、使用頻度が低い無駄な定義があるように感じますが、「うっう(uwwu)」などのローマ字でも無駄な定義があり、短縮入力が全てではないことを考えると、別に定義が多くても良いと思います。
最後に、定義数が多く全て使用できたというわけではないですが、同指連続を多く回避していて、指のもたつきがとても起こりにくいので、ローマ字からの移行だったら、絶対に使い続けていたと思います。
「ざわ・わざ」が定義されていたりする、タイパーらしい配列でとても楽しめました!